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北京ヴァイオリン  情景的SEX AND THE CITY

北京ヴァイオリン
今日は、チェン・カイコーによる中国映画『北京ヴァイオリン(和你在一起)』について書こうと思います。
ちなみに、原題の意味は『あなたと一緒に』だそうです。全然違いますね。まあ、内容を見れば、この邦題があきらかにおかしいというのがわかります。
詳しい内容は→cinematopics(ネタバレ70%)

まず、邦題が映画のテーマとまったく合致していないというのがありまして、これはちょっとダメでしょう?それとも、わざとはずしてるのかな? タイトルで内容を想像させないために。まあ、仮にそうだとしても、あきらかにセンスないですよね。

まあタイトルは置いておいて、内容です。貧しい生活を抜け出すため、息子のバイオリンの才能に夢を託した父親と、その少年の成長を、様々な要素を絡めて描いた作品です。
いわゆる類型的なサクセスストーリー(スウィングガールズとか最近の、なんだっけ、武士道なんとか?)かと思われがちですが、実際にはそれらの作品とはちょっと違います。ていうか、そもそも出来が全然違うので、同じ『成長』という素材でもここまでも印象が違うのかと驚いてしまうぐらいです。

何が違うのでしょう。

無論、ストーリーが違うというのがありますが、それはちょっと置いておきます。じゃあ何か。それは、映像です。

邦画は1カットが長くてテンポが悪く、だらだらした感じでつまらないとよく言われます。そこで昨今の洋画の真似で短いカットを多く繋げる映像が最近増えています。勿論それは洋画のいいところを引き出そうとしているわけなんだが、何の意味もなく、必然性のないままただカタチだけでその手法を使っているのがほとんどです。
しかし、この映画にはそれを全く感じさせない、映像の必然性を感じました。それはすなわち、「画」による説明が非常に巧妙だったということです。

そういったシーンがたくさんあるんですが、例えば終盤、少年と父親が部屋で荷造りをしながら、2人で北京で過ごした思い出を会話するというシーンがあります。「あんなこともあったな~」 「いやあのときこうでな~」・・・というシーンです。
このシーンを、この監督は窓の外からずっと1ショット(カット)で撮るという手法をとっています。これはもうホントに正解だと思います。
一つ間違えばこのシーン、3~5パターンのショットで繋いで作っちゃうんですよ。部屋の中でね。そうするとどうなるかっていうと、何て言うかなあ、『SEX AND THE CITY』の夫婦の喧嘩シーンみたいになっちゃうんですよ。要するに、身にしみちゃうんです。同じ目線で観ちゃう。でも、『SEX AND THE CITY』はいいんですよ。あれは喧嘩してるんだから。でも、この映画のこのシーンは思い出を語ってるんです。同窓会で級友に会って「おまえあのとき~~だったなあ」というレベルじゃないですよ。そんなシーンだったらわざわざ脚本に入れません。じゃあどうして脚本に入れたかって言うと、話さずにはいられない空気を出したかったからです。で、その空気を伝えるには、一歩下がったところから映さなければ伝わりません。映しているそのものを『情景』として捉えたかったんです。「あら、あの家族ったら、泣いてるわよ」と・・・。まさに、必然性なんです。

『SEX AND THE CITY』の夫婦の喧嘩は、空気感じゃなく、体感型です。モキュメンタリーばかりが体感ではありません。う~ん、説明下手だなあ。ほら、例えば、『ノーカントリー(No Country for Old Men)』で、シュガーがガスステーションの店員にコイントスするシーンがありますよね? あそこでは、シュガーの後ろからのショット(2通りぐらいあったはず。確認はしてないっす)と、店員の後ろからのショット、それぞれの目線に近いショットの最低5種類はあったと思います。あの場面がなんのためにあるかというと、シュガーの性格を表現するためです。シュガーと店員のズレを『情景』としたかったわけじゃありません。ですから、シュガーの性格を体感させる手法をとってるんです。

空気感っていうのは、そこに映っているものの感情の動きや変化の流れなど、言葉で説明するのが面倒くさいぐらいの要素がつまってます。KYって言いますしね。
そういったように、このカットの意味だとか、どうしてこのショットなのかを考えて、感じて観ると、よりいっそう邦画がひどく観え・・・、いや、いい邦画もあるんですよね、きっと。観たいなあ。
あ、たけしのアレ、期待してますよ。


北京ヴァイオリン  amazonです。

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Author:ホモルカ
札幌在住。おとこ。
ボケ防止でブログ開始。
ボケ担当。
学校で映画を勉強。
でもブログは好き勝手書くよ。
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