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イノセント・ボイス 12歳の戦場  エルサルバドル内戦

イノセント・ボイス
物語の内容に触れます。






イノセント・ボイス 12歳の戦場(Voces inocentes)』というメキシコ映画を観ました。監督はルイス・マンドーキ。『コール(Trapped)』が知名度のある映画かな。脚本もルイス・マンドーキとこの映画の主人公(みたいなもん)でもあるオスカー・トレス。2004年の作品です。
詳しい内容→goo映画(ネタバレはない)

どんな内容の話かっていうと、エルサルバドルでの内戦をそこに住む少年と家族の視点で描いていくというものです。
エルサルバドルというのはいわゆるラテンアメリカにある国ですけど、有名な話でサッカーの勝ち負けが原因で戦争が勃発したという、信じられないような事件があった国ですね。そのエルサルバドルで起こった1980年の政府軍、反政府ゲリラによる内戦の話です。政治背景などは映画を観たり調べればわかると思うので書きません。

はい、というわけで映画としてどうだったかということなんですが、まあ良く出来ていると思います。視点を政府でも反政府でもない一般市民にしてるわけですが、そこで悩む家族の思い、母親の愛情、子どもたちの無邪気な行動など、きちんと描いていて、そこは評価できると思いました。
ただ、観ていて非常に気になる点もいくつかありました。それはひとくくりで言うと、残酷描写です。

劇中の後半で主人公たちが連行され、横並びに座らされ端から順に銃殺されていくというシーンがあるんですが、血が出ないんですよ。後ろから後頭部を銃で一発撃たれるのをアップとスローモーションで映すわけですけど、吹っ飛びもしないし穴もあかない、血もほとんど出ないんです。あれ?おかしいなあ? って思うんですよ。空砲なのかな? って。連行されてるのは主人公の友達で、子どもです。だから見逃してやろうってことなのかなあって一瞬思ったんですが、撃たれた子どもは前に倒れていく。やっぱり処刑してる。空砲じゃない。なのに血がでない。これは観ているわしとしては、非常に冷めちゃいました。

確かに子どもへの暴力描写は嫌なものだし、目を覆いたくなるかも知れません(わしは気にならないが)。だが、戦争を描く映画で、しかも視点が一般市民の無力な子ども。内容も戦争がどれだけ彼らにとってストレスかという事を描いてきたとあっては、そこを「描かない」というのは矛盾した演出なんじゃあないだろうか。

もう一点、劇中後半である女の子が「いなくなる」のだが、そこはきちんと描くべきだった。もちろん彼女の生死をだ。どういうシーンだったかというと、
主人公が彼女の家の前に行くが、建物は焼け崩れ、そこには政府軍がいる。政府軍は建物に入るなと言う。だが隙をついて入り、そこであるものを見つける。
・・・このシーケンスじゃあちょっと何が起こったのかわかりづらい。わしはてっきり、彼女が逃げたものだと思っていた。逃げたか、行方が分からないということの表現か、どちらだろうと思っていた。しかしその後、主人公はある決意をする。彼女への復讐のために、ある決意をするのだ。要するに、彼女の状態が原因で、主人公の結果を生むわけだ。こういう描き方は基本中の基本だが、原因が曖昧だと、話が飛躍したような印象を与えてしまう。だから、どうしたらいいかというと、例えば彼女の死体を1カット挿むとか、セリフでそれをわからせるとか(政府軍に喋らせる)、はっきりさせておいた方がいい。死んだという暗喩じゃあなく、死んだという直接的表現が必要だった。仮に死んでなくても、死んでないが行方がわからないということをはっきりさせるべきだ。
それに、物語中盤である女の子が死ぬ。そこははっきりと描写しているぶん、なおさら矛盾が生じている。関係の薄い女の子は血が出て死んでいってもいいが、特別な子は映せないという約束でもあるのだろうか・・・。

無論、監督や脚本はそこを「描きたかった」かも知れない。色々な規制が働いているから充分に演出できないかも知れない。だが、それらを抜きにして考えると惜しい気がする。
ただ、基本的には良い映画で、あまり知られていないのがもったいないぐらいです。上述したように、刺激が少ないので子どもでも観れますしね。


イノセント・ボイス 12歳の戦場  amazonです。


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genre : 映画

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返事 コメント見ましたー

トリビア
雑誌でみたんですが、あの子ども、実は撃たれてないみたいです。空砲だったみたいです。




演出の話
確かにショッキングなシーンなので、わざわざリアルな演出を加えなくても観客に訴えかけるには充分です。『子どもが銃殺される』と言う事、それ自体にパワーがあるので、オブラートに包んで見せよう、てな感じです。
もちろん理解できます。例えばベッドシーンがあるとして、男女が裸になって抱きあってるだけって演出の映画もあれば、もろに腰を動かして『出し入れ』してるように見せる映画もあります。抱きあってるだけの演出は、『挿入』が行われているということの確証が観客に必要ない、あるいはそれ自体で『挿入』を示唆できる展開の場合です(朝チュンも)。観ていて、「あ~結ばれたんだな~」とか、「アンタあいつと寝たの!?」って感じ。「うん、寝たけどヤッてはいない」と答えることが可能です。
逆に動くのは、言いわけしない場合です。その行為に意味をもたらす場合。例えば『ターミネーター』でサラ・コナーが結ばれました。その後妊娠し、ジョン・コナーを生みます。そして彼をめぐってストーリーが展開していくわけです。あれがただ裸で抱き合っただけじゃあ物語に全然説得力が生まれないんです。だって、誰の子か確証がないから。その辺のヤンキーとヤリまくって出来た子かもしれない。そもそもカイルとヤッたかどうかもわからない。
子どもの頭に傷が出来ないのも同じで、僕はこの映画の銃殺シーンを観ていて物凄く違和感を感じました。まるで無傷なので、撃たれたという確証がなかったためです。子どもは血を流さないのでしょうか?いやいや、流しますよ。ベトナム戦争の映像で酷いのを観ましたが、全っ然血は流れるし、身体も吹き飛ぶし、すぐに折れ曲がってました。子どもも余裕で人間です。じゃあどうして彼らだけ無傷なのか? 大人たちが「キャー残酷ぅーかわいそう~」って言うからです。「ひっどーいやめなってーーー」って言うからです。でも結局自分なんですよね、それって。戦争で苦しんでいる人々の事なんか微塵も伝わってないんです。まあ、伝わってたら飽和水蒸気状態ですけどね。
だから解決策として、銃を撃った瞬間カットが変われば良かったんですよ。「バキューンッ」て鳴って隣の子の脅える表情のアップとか、傷が見えない位置からのカットとか。それで万事解決です。


あ、最初に書いたこと、嘘ですッ。

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ホモルカ

Author:ホモルカ
札幌在住。おとこ。
ボケ防止でブログ開始。
ボケ担当。
学校で映画を勉強。
でもブログは好き勝手書くよ。
映画について質問あればコメントくださいな。

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