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卒業  映画は時代を反映する

卒業
今日はダスティン・ホフマン主演の『卒業(The Graduate)』という映画について書きます。
卒業といっても、『ROOKIES-卒業』じゃないです。
ストーリーはこちら→goo映画(ネタバレです)


この映画は1967年のアメリカの作品です。
内容は、大学を卒業したてのボンボンがビビりながら童貞を卒業し、その勢いで親からも卒業するといった話です。
物語の初め、主人公であるベンの大卒パーティーのシーンがあります。そこで次々と大人たちから声をかけられるんですね。「ヨッ、ベンッ、良い男!」とかです。みんな彼に期待してるんです。中には自分の会社に誘う男もいます。
なぜそんなに彼が人気があるのかというと、ベンは大学でクロスカントリーのキャプテンをしたり新聞部の副編集長を務めたりと、活発だったからです。
ところがですね、終始浮かない顔をしてるんです。
そこには何とも言い表せない不安があったからなんです。

良い大学も出てボンボンなんだし、将来有望なんだからそんな不安がることないじゃないか、と思うかも知れないですが、これは当時のアメリカの状況、60年代後半の若者の考えを表現しているんです。
どういうことか。

この時期のアメリカといえば、ちょいと前にキューバ危機があり、それをしのいだケネディが暗殺され、公民権法が成立し表向きは人種差別がなくなり、ベトナム戦争が始まり、若者の間でヒッピー文化が栄えていった、という感じでしょうか。
経済的にはベトナム戦争によって支出は増えたものの、財政赤字が目立つようになってきた時期かと思います。
どことなくアメリカに暗い影が忍び寄ってきた時代、という感じですね。
アメリカン・グラフィティ(American Graffiti)』という映画がありますが、あれを観るとこの暗い影というニュアンスがよくわかると思います。あの映画はまだ影が忍び寄る前の、明るくて楽しい時代を描いてますから。

はい、そんな影が忍び寄ってきた時代の若者の価値観や不安、反体制の心情を表現したものが「アメリカン・ニューシネマ」であって、ブログでも紹介した『イージー・ライダー(Easy Rider)』などがそうです。→その記事ならここ
そしてこの『卒業』もそのアメリカン・ニューシネマです。
つまり、反体制を掲げた人間の末路(たいていバッドエンド)、といった内容です。
そのことを理解していないと、この映画は全く意味不明で腹が立つ映画となっています(ベンの精神に)。

で、まあ要するにこのボンボンのベンは将来を嘱望された男子でエリートなんですけど、親から愛情を注がれすぎちゃってて甘ちゃんで童貞でヘタレでそのくせプライド高くてですね、困った男なんですよ。その困ったところを見抜いてミセス・ロビンソンが誘惑してくるんですけどね。ベンも親から甘やかされてるからちょっとマザコンっぽいんですね~。だから年増女に弱い(わしも年上は好き)。そういう経緯でこの二人はホテルで逢瀬を重ねてSEXしまくるんですね。
で、これ一体どういう事かっていうと、親のおもちゃとして生きてきたベンがそれに気付き、反旗を翻したんですね。
ところが反旗を翻したつもりで逢瀬を重ねているミセス・ロビンソンも自分は単なる母親代わりとして扱っていた、ということに気付かせる女性が登場するんです。それがエレーンです。
エレーンという女性に会って彼は初めて、一人の社会人、男としての自立を意識し始めるんです。
彼女は純真で無垢で、ストリップへ連れて行ったら(おっぱい攻撃喰らいテー!)泣いちゃうようなかわいい女です。
彼女になら自分のこのわけのわからん不安も話せる。一人の男と女として、付き合える、と思ったんでしょうね~。なんせ童貞でしたし。
ってことはなんだあのババア、もういらね。 ・・・というわけにはいきませんけどね(笑)。

ラストは有名ですね。ネタバレとかもうないでしょう。
wikiに書いてあるんですが、花嫁を奪ってバスに乗り、並んで座るシーンがあります。そこで彼らは初めこそ笑っているが、そのうち焦点が合わなくなり深刻な顔になっていく、と書いてあるんだけど、あんま気にしない方いいですよ。別にそこまで深刻な顔はしません。単に長回ししているだけです。その演出の効果を考えればいいんです。
スクリプトも秘密のルートで入手したので調べました(英語ばっか)。表情に関しては書かれていませんでした。なのであれは監督の演出だということですね。
ホント、あんまりwikiは信用しない方がいいです(自分でリンク先貼っといて言うのもなんだが)。特にこういう映画の解説だとかは。

そしてやはりこの映画もまたベトナム戦争を背景にした社会全体の不安という要素が絶対に絡んでいると思います。
色んな人がよく言いますが、映画というのはその時代の背景や風潮が必ず反映されるものです。むしろされてしまう。わしはそう思います。
ホラー映画なんてそれが顕著です。
その時代の人々の恐怖の象徴が反映されることが多いです。
また、そうじゃないとヒットしません。


この映画、一つ決定的に説明不足な点があります。それはエレーンの気持ちです。
なぜエレーンがベンに惚れたか。大学まで追ってきたベンをなぜ受け入れたか。どうして結婚が決まった相手がいるのにベンを選んだか、が全く描かれていません。
推理すれば、エレーンも親に反抗したかった、と考えられますが、それならその描写が少しでいいからほしかった。
エレーンの両親が離婚しようとどうしようと、その説明にはなってないですからね。

童貞を捨てての『サウンド・オブ・サイレンス』は良かったですね。新感覚でした。


卒業  amazonです。
ついでにアメリカン・グラフィティも  amazonです。
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theme : 映画レビュー
genre : 映画

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No title

コメントありがとうございます(TBの意味がわからなくて悩んでました)。
なんかコメントもらうとホントうれしいですね!
カウンターも伸びないし、文章だけだと嫌かな~・・・、とか苦心重ね、ついに画像を入れたんですよ(関係ないか)。
これからもよろしくお願いします!
プレッシャー感じちゃう(● ̄▽ ̄●;)

No title

はじめまして。

この映画について書かれた若い人のブログの記事には首を傾げたくなるモノが多いですけど、なるほど、こういう風に書けば少しは分かって貰えるのかも知れないですね。
参考になりました。v-218

TBしてま~す。
プロフィール

ホモルカ

Author:ホモルカ
札幌在住。おとこ。
ボケ防止でブログ開始。
ボケ担当。
学校で映画を勉強。
でもブログは好き勝手書くよ。
映画について質問あればコメントくださいな。

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