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独裁者  細かいとこまでこけにして(笑)

The Great Dictator
今日は以前も少しだけ触れたんですが、チャップリンの『独裁者(The Great Dictator)』について書きます。
この映画は彼が監督も製作も脚本も主演も全部やってます。チャップリンの作品はどれもだいたいそうで、いつもなら音楽も自分でやっちゃうんですが、この作品はメッセージ的にタイムリーにする必要があって、急いだために他人に任せたんです。
あらすじ知らない人はこちら→goo映画(絶対に本編を観たほういいです)

この映画について書く場合、まず当時の社会情勢やアメリカ国内の世相をある程度理解しておく必要がありますね。それを無視してあーだこーだ言ったり作品を否定したりするのは制作者に失礼だと思うし・・・。

チャップリンが制作準備に入ったのは1938年で、公開されたのは1940年です(アメリカ)。
当時のアメリカはドイツと開戦前の、平和な時期でした。アメリカ国内では黒人やユダヤ人に対する差別があったり、ナチスの党員も国内にたくさんいたりで、ドイツのことを悪く思っていなかったんです。
そういった背景でチャップリンは、反ナチスを掲げ、『独裁者』を公開しました。

その内容というのが、今までのチャップリンの映画とは一線を画していしました。
初めて『トーキー映画』にしたんです。
それまでの映画では、色んな国の人が観ても理解できるようにと、全て身振り手振りの『サイレント映画』でした。彼自身優秀なパントマイマーでもあり、こだわりもありました。
そのこだわりを捨ててでも、言葉で伝えたいメッセージがあったんです。
それが有名なラストの6分間の演説です。
そこで彼はヒトラーの真似をしながら、ヒューマニズムを演説したのです。

しかし当時のアメリカ国内の映画批評家や知識人は、それを「映画的でない」とか「政治的プロパガンダだ」とか「共産主義者だ」と非難しました。

そして翌年、ユダヤ人の大量虐殺が始まったわけです。


以前も書いたように(アンヴィルの記事)、この映画を評価する際、未だに多くの人がカッコつけて批評します。
「ラストの演説さえなければ」「ナチスと同じプロパガンダに成り下がっている」「セリフで直接表現するのは映画的じゃない」・・・

そんなことチャップリンは知ってるよ。映画的じゃないのも全部。
流れに逆らってる事だって、ナチスと同じ手段って事だって、百も承知ですよ。

トーキーが主流になって10年経ってもサイレントを撮っていたような男です。自分のスタイルはなかなか崩さないような、完璧主義者です。
それでもあえて、音声を入れ、映画的じゃない演説をし、プロパガンダを撮ったんです。
それだけ切迫してたんですよ。
異常な事が起こっていたんです。
公然と人種差別をし、仕事を奪い、リンチをし、殺す。それを異常な事だと気付かせるために彼は『独裁者』を撮ったんです。

わしは、映画的じゃないとかカッコつけてこの作品を批評しているのを見ると腹が立ちます。
そういうふうにしか映画を観れないのは悲しいですよ。チャップリンの思いも全く無駄になるわけですし。
第一、何万人がナチスのために死んだと思ってるんでしょうか?ユダヤ人はどれだけ死にましたか?それだけじゃありませんよ。障害者や同性愛者もです。
人種差別はなくなりましたか?
それにプロパガンダ映画なんてそんじょそこらにありますよ。
そのメッセージをどうコントロールするかが制作側の手腕じゃないですか。


チャップリンが自身のこだわりや映画人としての名声も捨てる覚悟で制作した『独裁者』。しかし状況は何も変わらず、それどころかアメリカ政府に共産主義者呼ばわりされて、やがて国外追放されてしまいます。

それから何十年と経った今も戦争は絶えないし、その情報をコントロールする側も変わっていません。せめてこの映画を観た人間ぐらいは、正しい情報の選別と、良識ある判断をしてほしいです。


わしは映画として『独裁者』は非常に優れていると思います。どこがどう優れているのか、あのシーンがいいとかこのシーンがいいとかはここでは書きません(観てちょ)。

ちなみにハンナってのは彼のお母さんの名前で、ラストはお母さんに向けて喋ってるとも言われていますよ。


独裁者  amazonです。
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theme : 心に残る映画
genre : 映画

comment

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どもです!

どういたしまして。僕も良かったです。
この人はホント頭のいい人だったんだなあと思います。情報に敏感で、笑いも心得ているし、音楽にも長けている。優秀な人です。
っていうかホント、コメディですよねこの映画。気をつかって褒めるわけじゃなく、本気で笑えましたし。
ぼく、モンティパイソン好きなんですけど、ちょっと似た感じするんです。彼らもチャップリンを見たんだろうなあ。

No title

こんにちは、やっと観れました。
勿論コメディとして楽めましたが、歴史的背景に疎い私にも当時の状況が想像できて考えさせられる作品でした。いい映画だったなと心に残っています。観て良かったです。ありがとー^^

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No title

jonathanさん

そそそ、そんな、ぜ~んぜん楽勝ですよ!!
わしも先生に「ちゃんと背景も勉強しろよ~」って言われるまでおろそかにしてました・・・。それでも通用するように作ってあります(だから民衆をだましてるって言われてるんですが)
思想とか抜きにしてもベースがちゃんとした喜劇なんで、楽勝です。ぜひ観て下さいな!!

No title

私はチャップリンの短編をいくつかと「キッド」は見たことがあって、この「独裁者」もずっと気にはなっているんです。
でも世界史を習ってなくて、今から勉強する気もない私には、ちょっと難しそ~・・なんて思ってしまって、なかなか手を伸ばせないでいるんですよ。
そんなのってやっぱりバカげてます?^^;
プロフィール

ホモルカ

Author:ホモルカ
札幌在住。おとこ。
ボケ防止でブログ開始。
ボケ担当。
学校で映画を勉強。
でもブログは好き勝手書くよ。
映画について質問あればコメントくださいな。

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